はじめに
転職活動を通じて、仕事に対する『納得感』の重要性を強く感じるようになりました。人生における個々人の優先度、結婚などの人生のステージの変化によって、仕事に求める『納得感』が変わっていきます。一方、それまで『納得感』を感じていたい職場において、『納得感』をそがれてしまう、社内の状況変化があります。その代表例が、『人事異動』であると、私の実体験を基に考えております。本記事では、『人事異動』の中でも、上司の人事異動について、深掘りしたい、と考えています。
現職場の状況
近々、私の現職場において、直属の上司の人事異動がありました。人事異動の内容は、現在務めている役職に加えて、2部署の管理職を兼務する、という内容でした。この人事異動を耳にした瞬間、強い違和感を覚えました。主な違和感は2点
①3部署を兼務する能力が備わっているのか
私が所属している、技術開発部の部長として3年間、その役職に就いていました。その期間、私個人として、技術的なアドバイス、問題解決に対するフォローを頂いたことが一切なく、名ばかりの管理職、としての印象が強い状況でした。その上で、他の2部署を兼務するという、人事異動に対して、『納得感』を得ることが出来ませんでした。1部署の管理が出来ていない状況であるのに、加えて2部署を管理する、どう考えても出来るはずがない、そう考えました。
②管理職としての能力が備わっているのか
そもそも論になりますが、1部署の管理が出来ていない以上、管理職としての適性を持ち合わせているのか。疑問が残ります、直属の上司の主な業務としては、
- 会社側からのメールの転送
- 会議/提出物のスケジュール管理
のみ、と言っていい状況でした。部下が日ごろ抱えている仕事上の課題、他メンバーとの関係性等について、一緒に知恵を絞って考え抜くというプロセスには興味がなく、結果にのみ興味がある、というスタンスを取られていました。
このような現状を踏まえた上で、管理職・役職の人事異動には、その下で働くことになるメンバーの『納得感』を得られるような人事異動をすることが、特に重要である、と感じます。なぜならば、その人事異動の内容いかんによって、メンバーの仕事に対する「士気」、「モチベーション」が下がり、最悪の場合、離職が増える結果につながるためです。
したがって、「あそこの役職が空白になったから、取り合えず、一時的にあの人を就けておこう」的な、社員を『五目並べ』の駒として認識するような、人事異動は避けるべきであると考えています。
人事異動は将棋
現時点で、私が人事異動に対して抱いているイメージを例えますと、
『将棋・チェス』
になります。将棋において、盤面上の空いた位置に、新たな駒を置くことで、それまで空いていた周辺の駒の意味合いが大きく変わります。
「今まで良い陣形だったのに、急に飛車に攻め込まれたことで、陣形が瓦解する」
「窮地に追い込まれていたけど、金・銀で予防線を張ることで、形成を戻せた」
などなど、駒を置く位置、タイミングによって、その周辺、もっと言えば、盤面全体の状況が変わることだってあるかもしれません。
同じことが、管理職・役職の人事異動にも言えると考えています。それまで、社員同士で良好な関係を保ちながら、職務を進められていたが、新たな管理職が赴任したとたん、社員のモチベーションが下がり、仕事におけるパフォーマンスが下がる、といった状況が生じる可能性を含んでいます。
最後に
現時点における、私が抱く、管理職・役職の人事異動について、本記事で述べてきました。人事を単なる駒並べとして、捉えるのではなく、その先の影響まで考慮に入れた、人事を考えることが、会社・組織運営上、大切なことであると、考えています。現在は、一般社員として、働いておりますが、今後、管理職・人事に関わることになった場合には、人事異動における、1歩2歩先の影響まで想像していけるよう、日々の生活の中で、視野を広げていきたい、と考えております。
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