はじめに
12月18日(土)、12月の尺八レッスンのために、熊本に向かいました。11月のレッスンから引き続き、宮城道夫先生の『初鶯』に取り組みました。前回のレッスンでは、曲の前半に取り組んでおり、今回は、曲の中盤、特に、“ 鶯の綱渡り ” と呼ばれる、指使い、リズムが難しいパート (尺八の師範試験に出題されることがある程) を集中的に取り組みました。
鶯の綱渡り
手事の後半部分に織り込まれている、尺八の指使い、リズムともに難しい6小節を指して、“ 鶯の綱渡り ” と呼ばれています。尺八のリズムの難しさは、16分音符の表拍進行、裏拍進行に行ったり来たりするところにあります。更に、箏と合わせるますと、その難しさが格段に上がります。尺八と対照的に、箏は16部音符の表拍進行を一定リズムで進行していき、そのリズムに合わせて、尺八の複雑なリズムを乗せていく必要があるからです。不協和音のように、16分音符だけ、ずれて聞こえる部分があり、「あれ、尺八がズレているのかな?」という錯覚に陥ってしまいますが、それが正解になります。
レッスンでは、初見で、“ 鶯の綱渡り ” 部分を尺八で演奏することが難しい状況でしたので、まずは、そのリズムを体に刷り込むことを目的に、尺八の楽譜をリズムに乗せて読み上げる “ 唱譜 ” を繰り返しました。この “ 唱譜 ” も難しく、先生の “ 唱譜 ” に追いつくことで必死で、レッスン中に、一人でスムーズに読み上げることが出来ませんでした。その一方で、リズムの大枠を掴むことができました。そこで、“ 暗譜 ” を30分ほど繰り返したのち、実際に、尺八を使って、譜面通りに指使いの練習へ移りました。
個人的に、“ 唱譜 ” より “ 指使い ” の方が、得意なようで、こちらも30分ほど、指使いを繰り返し練習し、一人で “ 鶯の綱渡り ” パートを吹き切ることができました。
後歌の印象
消化不良な感もありつつ、“ 鶯の綱渡り ” パートを後に続く、“ 後歌 ” のパートの習得に進めました。はず初めに、先生を一緒に、楽譜通りに演奏を始めました。“ 後歌 ” パートのリズムは、4分音符・8分音符がメインで、“ 鶯の綱渡り ”パートと比べると、演奏しやすい印象です。また、演奏していて感じたことは、“ 半音のチ(ソの♯) ” が多用されており、また。使い方が絶秒で、情緒を感じさせるメロディーである感じました。もともと “ 半音のチ(ソの♯) ” の音自体、不安定な音になります。 一方で、“ 半音のチ(ソの♯) ” 以外の周辺の音は安定し、音量も大きい音になります。このことから、 “ 半音のチ(ソ の♯) ” の音が目立たせないように、周囲の音も、同じ音量で演奏する必要がある点が、“ 後歌 ” の難しさである、感じました。
来月のレッスンに向けて
12月のレッスンでは、宮城道夫先生の曲、“ 初鶯 ” の後半、特に、難解なパート “ 鶯の綱渡り ” を中心に習得に努めました。“ 鶯の綱渡り ” 含めて、各パート単体であれば、何とか演奏できる感触が得られた一方で、曲全体を一度に演奏するとなると、技術はもちろん、体力も必要となり、更なる練習が必要である、と感じました。年末年始の空いた時間を利用して、自宅でも練習可能な、“ 鶯の綱渡り ” パートの “ 唱譜 ” を通じて、リズムを体に染み込ませた上で、次回のレッスンに臨みたいと考えています。
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